partita 〜 世界演舞
第三章 忘却の花咲く庭(1)
妄執。それは忘却。何かに捕らわれるには、何かを忘れることが必要。
「それは、幸福となるのだろうか……」
醜いもの。それは真実。誰もが認められないから、忘れようとする。
「……何も、いらない」
過去は美しく、未来さえも美しくなければ……。
「それは理想。しかし……未来はわからない」
あやふやな時の流れに身を任せられず、足掻き続ける。何にも己を支配させまいと。
「――― 断ち切ることは、運命すら変えるのか?」
確かなものなど、存在しない。自分を守っていけるのは、自分自身……。
「否!自分を守るのは己、そして絆」
けれど、あなたは今、何も守れない。そう、大切なものほど自分の手では、どうすることもできない。
「未来に託せ。我らはきっと ―――」