partita 〜 世界演舞

第六章 汝を守るための剣(1)


 星が堕ちた。それは何かの始まりを意味する。
「災いは人が呼び出し、そして人が鎮めてきた」
 しかし、必ずしもそれが善であったとは言えない。
「すべてが意味のあることだった。少なくとも、今はそう思う」
 時を動かしたことも、変革を望むことも。――― 何かに抗い、何かを壊すことでさえも。
「我らはこの先、何をすべきであろうか」
 誰もが皆、自分の信念に基づいて動き出す。それは誰にも止めることはできない。
「我らの行き着くべき道は、この先にある……」
 それは希望という名の明日(みらい)。それは贖罪という名の罰。
「禁を破りしその罪を、我々はいつまでも隠し続けるわけにはいかない」
 遠き時の果てに転がり落ちる一粒の雫。それをつかむためにはその身を業火に投げ込むことさえ厭わない。
「それでも護るべきものがあるのだから……」
 抗わなくてはならない。いつか見た幻想は、この手で現に変えるのだから。そして叶わぬ夢でさえ、その手で永遠に求め続ける者たちに。手を差し伸べる存在があることを忘れずにいて欲しい。――― 今はそう願うだけだ。



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